最近、外貨預金の代替商品としてFXを活用する投資家の方が急速に増加しています。 いわゆるきったはったのデイトレードなどとは対極に、外貨のポジションをじっくり建てて、じっくり長期で金利収入を狙う、そんな投資スタイルは「キャリートレード」と呼ばれ、最近の外為市場でも相場変動要因のひとつに挙げられるぐらいメジャーになりました。 ここでは「キャリートレードって何?」という初心者の方から、「よくわからずに、銀行に勧められるまま外貨預金をやってみたけれど・・」という方などを対象に、外貨預金の代替商品、というよりも、外貨預金と同様の商品でありながら、有利な点の多い上位商品としてのFXの可能性を探ってみます。
外貨預金の現状と問題点
外貨預金は、長引く国内の低金利を背景に、1990年代中盤頃から一般の投資家にも注目され始め、1998年の外為法改正以降は、爆発的に残高を伸ばしました。 2005年の残高9兆円をピークに、2007年4月現在はやや残高を減らしているものの、依然として7兆円以上の残高を有する人気商品です (ちなみに、残高減少の一因は、いわゆるグロソブなど外貨ものの投信への資金移動などが大きいと見られています。 これら外貨もの投信への投資額を併せて考えると、日本人の外貨建て資産への投資は、現在も急速に増加しています)。
しかしながら、外貨預金のあり方には、疑問を感じずにはいられません。
具体例で説明しますと、2007年6月27日現在の某大手都市銀行サイトによれば、NZ(ニュージーランド)ドルの外貨定期預金の金利は、以下の通りでした。
さて、この条件で、いったいいくら儲かるのか考えてみましょう。
・ NZドル金利 1年物 6.55%(税引き前)
・ NZドルTTS ・ TTB 96.69円 ・ 91.59円
上記サイトの注意事項説明に明記されていますが、まず、外貨預金の金利に対しては、20%の源泉税が課せられますので、実際に1年後にもらえる金利は、6.55%×80%=5.24%です。 一方、当該銀行で外貨預金を設定すると、NZドルの場合、TTSで最初に外貨を購入し、満期時にはTTBで円にまた戻すので、上記のように、TTSとTTBの差である5円10銭が銀行に手数料として取られます(サイトにも明記されています)。 NZドルのTTS=96.69円に対して5円10銭の手数料の与えるインパクトを計算してみると、5.10÷96.69=約5.27%です。 ということは・・・よく考えてみてください。 せっかく高金利国のニュージーランドの外貨預金を1年保持して、税引き後5.24%の金利をもらったにもかかわらず、当の銀行に5.27%の手数料を持って行かれてしまいますから、実質0.03%の赤字です! すなわち、為替レートが1年間一切変化しなかったとしても、この外貨預金は、あらかじめ「負け」が確定している商品なのです。 私どもに言わせれば、こんな外貨預金は欠陥商品どころか、ほとんど詐欺だとすら思います。 しかしながら、金融庁もお墨付きの超有名大手銀行の提供する商品なので、安心して申し込む人が後を絶たないのでしょうか。 実に遺憾に思います。
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