外国為替証拠金取引(FX)とは(4) 〜 決済
(1)取引形態の項で、FXは「外為ステーションなどの業者との間で、外貨を取引する契約を結ぶこと」であると申し上げました。 このことで、ひとつの制約が生まれます。 つまり、お客様がFXで外貨取引をしてポジションを建てた場合、その外貨ポジションは、同じ業者に閉じてもらわなければいけないということです。 最初に建てたポジションは、あくまでお客様とその業者との相対取引での契約ですから(くりっく365などの取引所取引は例外)、基本的に他の業者が閉じる契約を結ぶことはできません。 そういう意味で、FXの取引は常に同一業者との往復取引が基本となっています。
また、外貨を買いっぱなし、あるいは売りっぱなしということも、基本的にできません。 例えば外貨預金の中には、満期時に円に戻して返金される以外に、当該外貨のまま受け取ることを選択できる商品がありますが、FXの場合、これはできません。 必ず同額の反対売買をして、最初にポジションを建てたときの金額と、それを閉じたときの金額の差、すなわち「差金決済」によって清算されます。
外貨取引をしていながら、実際に外貨を受け取りたくてもできないというのは、通常の外為取引と比べて、FXが背負ったデメリットです。 ただし、資産運用・資産形成を目的としてFXを始められた方は、もともと外貨そのものを必要としているわけではありませんから、特にデメリットとは感じていらっしゃらないようです。 むしろ、そうした差金決済制度が業者のコスト削減につながり、結果として投資家に安い手数料体系を提供できることを、FXのメリットと考える方もいらっしゃいます。
なお、特殊な決済として強制ロスカットの制度がFXには存在します。 これは、お客様が現在お持ちの外為ポジションが、あらかじめ定めたある一定限度の損失を超えた場合(あるいは、ある一定限度のリスクを超えた場合)、お客様にことわりなく、業者が一方的に反対売買を実行し、ロスカット(損切り)を行うというものです。 もともと、お客様が預託された自己資金以上の金額の取引を業者が保証している以上、相場動向によっては、お客様が預託された証拠金以上の損失を被るリスクは常に抱えており、そのときに困るのは、お客様ご自身と、当の業者です。 FX業者は、お客様にレバレッジ取引を許容する前提条件として、業者自らのリスクを限定するため、あらかじめこのような強制ロスカットの制度を定め、契約前にお客様にご納得いただいています。
強制ロスカットをされた場合、お客様が預託された証拠金は、相当額目減りしてしまいます。 また相場状況によっては、FX業者がルールに従って強制ロスカットを行ったにもかかわらず、ロスカットの結果お客様が預託された証拠金以上の実現損失が発生してしまう場合も、非常にまれなケースではありますが、可能性として皆無とは言いきれません。
強制ロスカットを避ける道は3つ、ロスカットの基準に抵触しないように、損失を上回る証拠金を追加で預託するか、強制ロスカットの基準に抵触しない範囲まで、お客様が自主的に一部ロスカットを行いリスクを減らすか、あるいは最初から強制ロスカットなどという話にならないように、リスクを限定し、安全な取引をするか、です。



